千曲万来余話その667「B氏ウンメイ一本勝負CDでの体験ビックリ・・・ 」
21金曜日朝刊記事で宮古島、部分日食観測との報道。つまり、20木曜日は「新月」だった。どういうことかというと、太陽と地球の中間に「月」が入り、オーディオ的にいうと万有引力はかなり影響が低下している。月食の夜は太陽と「月」の間に地球が入ることにより、引力の影響は最大になる。だから、スピーカーの振動はフカフカ、ベストの鳴りになる。最近は、早朝5時以後明るく電源は最高にクリーン、すなわち、7時頃までの2時間位は電力源がクリーンで鑑賞するにべストコンディション、FM放送でバロック古楽の時間など、良い音で聴いている人たちにはたまらない時間だろう。
新聞報道も頭の中を巡らせて、太陽、地球、月の位置関係まで思いをいたすとき、見えてくる世界が有るというものだ。ベートーヴェンの「第5番交響曲」も作品67という作曲者の刻印を理解する時、いっそう、身近になるというものだ。ウタタタター、ウタタタターというリズムパターンをB氏はなにゆえに、5小節設定したものか?4小節で済む楽譜を1小節拡幅している。このことに、疑問を抱くか?そうでないかは、その人の愛の世界が決まるという話で、ロマンはこの道から始まる。昭和26年1951年の諸井三郎氏解説では、提示部124、展開部123、再現部126、終結部128小節というもので、501小節が第1楽章になり、提示部にリピート繰り返し記号があることにより、625小節という総体数、すなわち5の4乗という完全な楽譜設計になる。ところが、諸井氏は昭和27年1952年全音楽譜の楽曲解説によると展開部124という風に1小節増やして、現行楽譜の502小節の小節数に変更していたものである。
盤友人のアルトゥール・ニキッシュDG盤や、山田耕筰指揮新交響楽団、パウル・クレツキ指揮のコンサートホール盤では、389小節目の全休止は採用されていない。最近、キングインターナショナルのコンパクトディスクを改めて聴いて、トラック7、ベートーヴェン5.1「ガス・ハウス・ギャング」によるバーバーショップ・カルテットという米国4人組ヴォーカル歌唱、アカペラ・ポップ・コーラスの一種を興味深く受け止めた。18年間の活動、ユニークな歌詞に練り込んで見事に熱唱したという。2005年に解散、メンバーの逝去により惜しまれてならない。ファイブ・ドット・ワンというタイトルからして刺激的、だから、389小節目に全休止は完全になくて、501小節の楽譜演奏になっている。
この事実は、誰にも明らかにされず、完全スルーされていることになる。つまり、ベートーヴェンは作曲する時に、小節数を数えていたことになり、大常識の音楽の作曲は、小節数と関係はないというものと相反する結論になるだろう。なぜ、人々が触れないのか ? それは、だれも答えられないという前提になるからである。だから、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮によるオーケストラ演奏も、楽譜に則り389小節全休止に躓くことになる。「つまずきの石」。よく人は、音楽に「間」は大事であるという固定観念があるのだが、それをB氏は123、124小節で実行している。すなわち、その2小節こそ全休止なのである。346小節目からソーラソファファミレド・・・406小節目からタリラリラリラリという具合に音楽は流れる。389小節目に全休止だと407小節目から流れることにより、1小節ズレることになる。
第1楽章の終結は25小節、すなわち、バーンスタインの解説では、何回も校訂されて、終結するという音楽解説、25小節5の2乗小節数という解説には届いていない。(訳者吉田秀和、音楽のよろこび音楽之友社刊)。現役の指揮者で金聖響氏の解説では502小節数を明記しているのだが、ベートーヴェンの偉業に触れられない現在、あの全休止を克服できないのが指揮者稼業なのだろうか?・・・・・