千曲万来余話その646「白鳥の湖、モントゥー指揮ロンドン響・・・」
6/26夜明け前の東天には、金星や火星、木星に土星と勢ぞろいし肉眼では見られない天王星、海王星など惑星が一列に見ることが可能である。というのは、エゾ梅雨という季節に当たりこの薄明始め時に晴天は望めない。この1週間前6/19午後3時頃石川県珠洲市一帯では震度6弱、能登地方マグニチュード5.4規模の地震が発生して被害を出していた。被災された皆様にはお見舞い申し上げます。大変な状況に心が痛みます。
宇宙には空間があり、大気は地上100kmという地球の周囲にしかない。あるのは万有引力が考えられている。すなわち宇宙で1方向に惑星が整列することは、稀少で地球が引力の変化を受けていることは容易に推察されるから地殻の変動はあり得ることだろう。そのことを頭の隅に入れておくと、不要に地震を怖れることもないし心構えにより賢明な対処も可能だろう。
1945年大戦終了後に、核戦争は1962年10月のキューバ危機があり寸前で回避されている。今年はウクライナ戦争でその導線に火がついている。1956ハンガリー動乱、1968プラハの春などロシアによる軋轢は、色々でありチェコは20年かけてヴィロード革命を経験しているからその方向を進めてもらいたいものである。忘れてならないことは、米国の覇権によるヴェトナム、アフガニスタン、イラク、湾岸戦争などの戦火がある。大戦後の戦争は絶えないのだが、トルストイの戦争と平和1865~69年発表、など帝政ロシアでの小説で分かるヨーロッパでの歴史である。犠牲になるのは市井の人々、一刻も早い戦乱の終了を願っている。
ロシア音楽の始祖としてミハイル・グリンカ1804~57がいる。ロシア国民楽派5人組に直接的影響を与えた。1833~34年ベルリンで体系的作曲の教授を経験している。歌劇ルスランとリュドミーラ1842年創作、44年にはパリ旅行でベルリオーズに出会い管弦楽法を研究している。管弦楽の色彩的変化、変奏技法を開拓してチャイコフスキー1840~93に大きく創作の影響を与えた。チャイコフスキー作曲バレエ音楽白鳥の湖、4幕で1877年モスクワ初演、悪魔によって白鳥に変えられたオデット姫と彼女を愛する王子ジークフリートとの悲恋を描く。モスクワ・ボリショイ劇場初演時よりも1895年マリインスキー劇場再演で巧みな振り付けと演出、画期的成功を収めている。
6/26日曜日マチネー札幌コンサートホール・キタラで指揮者ドミトリー・シトコヴェツキー1954年9/27コーカサス地方アゼルバイジャン、バクー出身、父親ユリアンはコーガンとコンクールで優勝を分け合うが33歳で早逝、母親はベラ・ダヴィドヴィチ(ショパン国際コンクール戦後第1回1949年グランプリ次席獲得)。ドミトリーはモスクワ音楽院のほか1977年米国移住、ジュリアード音楽院でイヴァン・ガラミアンに師事し、79年クライスラー・コンクールでグランプリ、80年にベルリン・フィルにデビュー、90年新ヨーロッパ室内弦楽オーケストラを創設、独奏者、指揮者としてロンドンのアカデミー室内管弦楽団と密接な関係にあり、ベルファスト・アルスター管弦楽団の首席指揮者の地位にあった。札響646定期に初登場して、バッハのゴルトベルク変奏曲弦楽合奏版(指揮者自身編曲)と白鳥湖を指揮。指揮振りの横顔を拝見して、顔の表情でオーケストラ楽員を把握、緻密なバッハと華麗なチャイコフスキーを披露していた。演奏者たちの活き活きした姿は印象的。打楽器担当カスタネット最年少女性団員とのアイコンタクトもピタリ。
ピエール・モントゥー指揮の白鳥湖は、聴いてすぐヴァイオリン両翼配置と認識される。なんと、シトコヴェツキーはゴルトベルク変奏曲でも舞台中央にコントラバス2プルトでその前列アルトとチェロを揃え、舞台両袖に第1と第2ヴァイオリンを展開していた。札響のチャイコフスキーなどヴァイオリンによる第1と第2の掛け合いは緊張感を高め、格調高い演奏を披露する。ロンドン響は1962年録音フィリップス盤で、ハイファイステレオを聞かせている・・・