千曲万来余話その627「合唱交響曲、ベートーヴェンとオーディオ人生・・・」
ベートーヴェンとは何か?その問いの答えとして、作曲家、ピアニスト、指揮者、天才、後半生聴覚障碍者などなど、どれも当たっていることだろう。特に天才というのは努力する才能の事であり、作曲家として様々なハンディを克服して9曲の交響曲を作曲した。ハイドンは104曲の交響曲を発表、その頃ベートーヴェンは交響曲5番を完成している。ピアノソナタでいうと第1番ヘ短調で既に運命のリズム動機は現われていた。第23番ヘ短調熱情では、すっかり、姿を現した運命動機は、作品10の第5番ソナタ、ハ短調ので終楽章で使用されている。ちなみに第6番ソナタはへ長調だった。ハイドンは端的に一通りのスタイルの交響曲で100曲余り作曲しているのだが、ベートーヴェンはそこのところが少し違っている。
1787年母、マリア・マグダレーナ41歳で死去、彼は16歳の時だった。その年にモーツァルトの御前演奏を一度だけ経験をしていた。1792年12/18、父ヨハン52歳が死去。ウィーン在住のハイドンに作曲入門、6月ボンにて面会からの実現であった。フランス第一共和制で王政が廃止されることになる。翌1793年ルイ16世死刑、ジャコバン党独裁恐怖政治時代を迎えた。1794年フランス革命軍ボン侵入。1795年フランス軍オーストリア攻撃、作品1ピアノトリオ楽譜出版。1800年交響曲1番ハ長調初演。1823年バーデンにて第9の作曲が進められる。1824年2月完成、5月7日ウィーンにて初演される。
「星空のかなた、愛する父なる神は必ずや、居らせられたもう。」年末になると日本国内、演奏会で取り上げられる演目であるのだが、別荘生活に入った知り合いは、「年末大掃除するの、第9聴きながらかい?」とこう来る。この一年間来し方を思い返すに相応しい交響曲である。第1楽章開始は、空虚なハーモニーから弦のトレモロ、ガツンとすぐに始まる。ベートーヴェンとは何か?モーツァルトの音楽は耳当たりが良くて、いくら聞いても飽きないのだけれど、ベートーヴェンはガツンと来て、力を与えられるところが他の作曲家と違うところである。つまり、ベートーヴェンとは「人生の羅針盤」なのである。言葉や理屈ではなくて、音楽という時間を体験した後には、啓示が残るのである。生きる方向を示さられるということだろう。
1967年9月録音デッカ盤、レオポルド・ストコフスキー1882.4/18ロンドン生まれ~1977.9/13英国ネザー・ウォロップ没が指揮したロンドン交響楽団は、第9のLPレコードをリリース、SP時代に1度彼は録音していた。1965年に来日経験が有り、ステージ奥1列にコントラバスを配置させたというエピソードがある。これは現代でいうと、指揮者ロジャー・ノリントンが再現していたということである。なぜあのフィラデルフィア管弦楽団ではないのか?盤友人は気になっていたものである。今年になり、情報としてフルート首席奏者は1965~69年までジェームズ・ゴールウエイ、クラリネット首席奏者は1955~72年までジェルワーズ・ド・ペイエ、ホルン首席奏者はバリー・タックウェル1955~68年などなど情報を入手、すなわちストフスキーは最強アンサンブルのロンドン響で最高の演奏を記録したというものである。バス歌手ドナルド・マッキンタイアは渾身の独唱を聞かせて、このテンションがストコフスキー芸術といえるのだろう。テノールはアレクサンダー・ヤング、アルト歌手ヘレン・ワッツとソプラノのヘザー・ハーパー彼女たちは右スピーカーから聞こえるのは、いかにも、S氏らしいのだ。「フォール・ゴーッド」という歌詞のフェルマータでティンパニをデクレッシェンドさせることはしていない、短めだが。
今年は昇圧トランスJS41が我が家に到着、7~9月にかけて。RF309というアームを搭載したガラード301ハンマートーンシルバー仕様というモノーラル専用システムを装備した。来年に期待が高まる・・・ 良いお年を