千曲万来余話その224「フルートとハープのための協奏曲ハ長調K299を聴き比べ」
1778年ころ、パリ時代のモーツァルトは、華麗な音楽フルートとハープのための協奏曲を作曲している。
いつのまにか、盤友人の所有するステレオ録音は9枚ほどになっていた。
1960年、オーレル・ニコレ、Hrpローゼ・スタイン、カール・リヒター、ミュンヘンバッハ
1962年、ウェルナー・トリップ、フベルト・イェリネク、カール・ミュンヒンガー、ウィーン
1963年、JPランパル、リリー・ラスキーヌ、ジャンFパイヤール、パイヤール室内管弦楽団
1971年、Jゴールウエイ、フリッツ・ヘルミス、ヘルベルトVカラヤン、ベルリン・フィル
1975年、ウォルフガング・シュルツ、ニカノル・サバレタ、カール・ベーム、ウィーンPh
1978年、Jゴールウエイ、マリサ・ロブレス、エドアルト・マータ、ロンドン交響楽団
1984年、Jゴールウエイ、マリサ・ロブレス、ゴールウエイ、ヨーロッパ室内合奏団
1986年、リリー・ベズノスィウク、フランチェス・ケリー、Cホグウッド、エンシェント楽団
1987年、オーレル・ニコレ、ウルズラ・ホリガー、ハインツ・ホリガー、イギリス室内合奏団
リリー・ラスキーヌとランパルのと、フリッツ・ヘルミスとジェイムズ・ゴールウエイのものそしてケリー、ベズノスィウクの独奏楽器の並びがハープ左側、フルートは右側になっている。
さらに、クリストファー・ホグウッド指揮のものは、弦楽器がヴァイオリン両翼配置になっている。ロンド楽章の開始などは、作曲者が見事に弦楽器を使用して音楽の効果を挙げているだろう。
オーレル・ニコレのフルート、カール・リヒター指揮した演奏は、厳しいもので、楽器演奏の立ち上がりアインザッツが、ぴしっとすべて、合致している。その正反対がミュンヒンガー指揮の音楽で、緊張感を避け典雅なものになっている。ウィーン・フィルハーモニーがみやびやかである。
管弦楽に特徴があるのは、カラヤン指揮、ベルリン・フィルでコントラバスの群奏がすごい。 カール・ベーム指揮も彼らしい、ウィーン・フィルハーモニーの弦楽器奏法である。
63年盤ジャン・ピエール・ランパルとリリー・ラスキーヌは、流麗そのもの実に優美である。 ジェイムズ・ゴールウエイの演奏、マータ指揮のものは1977年8月にモーターサイクリストと不慮の事故から復帰したもので、フルートの演奏に一層力強さが加わっている。ヨーロッパ室内合奏団との吹き振りのものは一段とリラックスしている。
ニコレとハインツ・ホリガー指揮のものは、管弦楽の伴奏に特徴があり、カデンツァもホリガー自作のものを採用している。 フルートが第一ヴァイオリン側に位置するのは、多数派であり、ハープ中央というものが多い。 ステレオ録音には、楽器配置の問題がつきまとうものであり、興味深いものがある。 演奏での説得力が問われるのだろう。