千曲万来余話その200「ベートーヴェン、スプリング・ソナタ・ヘ長調作品24を聴く」
2016年2月8日は、旧正月にあたる。新月ということは、太陽と地球の間に、お月様は位置することになる。その配置から、地上のテンション引力は、微弱になり、ちょうど満月の配置から比較すると、それは最弱であるといえる。
当地札幌では、スノーフェスティバル雪まつりの開催中だ。進撃の巨人、マカオ天守堂跡など、大きな雪像が建設されている。自衛隊、北部方面隊の活躍による。そのほか、市民、海外の人たちの創作による小雪像の数々もある。訪れる人数は、海外から観光客200万人を超えるほどと見込まれている。
1800~1年頃のウィーンでは、30歳のベートーヴェンがヴァイオリンソナタ第五番を作曲している。モーリッツ・フォン・フリース伯爵へ第四番作品23とともに献呈。
スプリング・ソナタは、初めてスケルツォの楽章をもつ。以前は、3楽章、急緩急が主体であったところへ短いスケルツォ諧謔かいぎゃくの音楽をとりいれた。
なめらかな開始、ヴァイオリンの旋律メロディーライン、これは、季節としては、4、5月ころの感じだ。
暖かさ、さわやかさ、そよ風を感じさせる。
ダヴィッド・オイストラッフと、レフ・オボーリンのピアノ、1962年12月の録音。
Vnの音色は、左スピーカーに定位して、中央にピアノのイメージがある。これはフィリップス録音の一枚の中でも普通ではない。ドイツ・グラモフォンのメニューイン、ケンプの録音など、ヴァイオリン、ピアノともに、中央に定位しているのが普通である。
オボーリンのピアノ、音色からしてベヒシュタインなのであろう。メニューイン、ユーディーとヘフティバー、兄妹の共演では、EMI録音、ピアノの音色は、ベーゼンドルファーでありウィルヘルム・ケンプは、スタインウエイを華麗に演奏している。
札幌音蔵の社長KT氏のはからいで、フォノイコライザーLCR、ミニュチュア管12AX7の差し込みにカーボンスペーサーを装着した。けっして安価ではあらねど、楽器の倍音成分が豊かになる。Vnの鳴りの方向性が目に見えるようだ。ピアノの楽器の音、というより、音響という響きが豊かになり、夢見るような印象を受けた。
なお、ピアノのメーカーについては、の様に聞こえるというのであって、カーボンスペーサーのなせる技である。クレジットがあるときは、その旨おことわりするということを申し添えておく。単なる推測ではあるけれど、あてずっぽう、確証はないけれど、そのように響いているという話までである。